過ぎた時間は違っても
海に足を入れながら夢の話をする彼女は輝いていた。今日は輝いている表情をよく見るなと思いながら、夢への真剣さを思い知らされた。
俺には無いな、叶えたい夢。そもそも、夢自体あったかな。バスケは一番得意なスポーツだったから続けているだけだし、うちの高校のスポーツ科に入ったのも父や祖母に言われたからだ。確かに少しくらい良いかなと思っていないと入りもしなかっただろうけど、所詮はそれくらいだ。

「羽李の夢は?探している途中?」

「探している途中かなー。バスケは夢とは少し違うし、他に本気でやってる趣味もないからねー」

「絵は?確か、再従兄弟の二人を描くのが好きだって言ってなかったっけ?」
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