過ぎた時間は違っても
真剣な表情をしていたから、訊いても何も答えてくれないだろうと勝手に諦めていたんだ。でも、羽季の真剣な表情と真っ正面から向かい合ってみると一瞬だけ何かが脳裏に映った。けれど、何が映ったのかまでは分からなくて更に疑問を抱いてしまった。
「羽・・・季・・・?」
「全部・・・っ、全部思い出した・・・っ!」
羽季は私の鎖骨辺りに額を乗せると更に号泣していた。全部思い出したという言葉に一瞬だけ疑問を持ったけれど、その直後に経験してこなかった日々の映像が脳裏を駆け巡った。
私も本当の自分を思い出す事が出来た。私と羽季が再従兄弟だった事、中学から病気に悩まされて余命宣告までされた事、羽季との日々が無くなってしまうのが嫌で恋愛感情もないのに恋人紛いな行動を取った事。
「羽・・・季・・・?」
「全部・・・っ、全部思い出した・・・っ!」
羽季は私の鎖骨辺りに額を乗せると更に号泣していた。全部思い出したという言葉に一瞬だけ疑問を持ったけれど、その直後に経験してこなかった日々の映像が脳裏を駆け巡った。
私も本当の自分を思い出す事が出来た。私と羽季が再従兄弟だった事、中学から病気に悩まされて余命宣告までされた事、羽季との日々が無くなってしまうのが嫌で恋愛感情もないのに恋人紛いな行動を取った事。