過ぎた時間は違っても
勝てる。そう願った時、決着がついた。ざわつく会場。全員が走り終えた所で生徒会が結果を発表する。結果は一歩の差で唯織が先にゴールしていた。唯織のおかげでバスケ部は優勝。唯織や翔琉先輩が気遣ってくれたのか、俺が責められる事はなかった。

「ねぇ!やっぱり正式にうちの部に来ない!?」

「行きません」

閉会式が終わって部長が唯織の手を勢いよく握り締めたけれど、唯織は入部を拒否した。まぁ、明穂さんとの関係も思い出したんだから余計に入らないだろうと思っていた。
ただ、この日を境に唯織は全部活から追われるようになった。休み時間になれば必ず教室に現れる部員たち。唯織は俺に付きまとわれていた時のように逃げ回る生活を送っているらしい。
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