過ぎた時間は違っても
追いかけてくる暇があるなら練習したらどうだとか色々言ってはいるみたいだけど、聞き入れてはもらえていないそうだ。しかも、男女問わずに好意を寄せている人も増えたらしい。そのおかげかどうかは分からないが、彼女の逃亡を手助けしてくれている人たちもいるみたいで一概に状況が悪化したとは言えなかった。

「お疲れー。どう?ここ、結構使えるだろー?」

「本当・・・、教えてもらっておいて良かった・・・」

昼休みに屋上へ行くと、息を切らしながら仰向けになっている唯織の姿があった。また追われていたんだと思って飲み物を渡すと、お礼を言ってから口を付けた。
冗談で渡した飲みかけを飲んでくれるなんて思っていなかった。飲みかけじゃんって返してくれると思っていた。
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