過ぎた時間は違っても
同じ境遇だし、不安がってくれれば少しは助けになれる。格好良い所を見せられる。そう思ったのに俺の出る幕は無さそう。今だって、翔琉先輩が原因を探っているみたいだし、俺って格好悪いな。大切な人の力になれないのかよ。

「なー、元の記憶を思い出しても好きな人はいないのかー?」

「いたにはいたんだけど、色々と曖昧だから幼い頃の初恋の記憶じゃないかな」

「俺は・・・恋人候補にはなれないのか?」

「・・・無理だね。羽季は異性というよりは家族って感じだし」

愛の告白はあっさりと拒否されてしまった。唯織の恋人になれるのなら初恋の事でも参考にしたいのに話してはくれなかった。
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