過ぎた時間は違っても
唯織曰く、漠然としすぎてどう伝えて良いか分からないらしい。それでも良いからと詰め寄ろうとした時、屋上の扉が開いた。話し声は複数だけど翔琉先輩や部長ではない。唯織を捜して他の部の奴らが上がってきたのか。

「こんな炎天下の場所にいるのか?」

「でも、捜していないのはここだけだからな」

太陽が一番当たりやすい位置に建てられた校舎のガラス張りで天井が無いに等しい屋上。叔母夫婦が快適な場所を知っていたから良かったものの、肌寒くなった季節でも熱中症を起こしそうな屋上に入ってくるというのか。
救急車、呼んでおいた方が良いかもしれない。断っているのにしつこく付きまとってきて迷惑を掛けている生徒のために唯織を出ていかせる訳にいかないしな。
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