過ぎた時間は違っても
かと言って、俺が出て行っても匿っているかもしれないと疑われて終わりだ。何の役にも立たないだろう。もう少し俺が信用されていたら守ってあげる事が出来たのかな。
違う。唯織を守ろうとする事がまず間違っているんだ。そもそも俺に守られよう、守られたいと思っていないのだから何をしても空回るのは当たり前と言っても良いんだ。それなら守ろうと気張らなくて良いんだ。

「・・・バレないもんだなー」

「有能だね、ここ」

息を潜めて部員が去っていってくれるのを待っていると、怪しまれる事もなく屋上から出ていった。暑さに耐えきれなかったのか、そもそも扉より奥側にいるという事が考えにくいのか。理由は分からないけれど、俺たちは危機を乗り越える事が出来た。
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