過ぎた時間は違っても
「俺は好きだよ。ずっと、唯織の事が好きだった」

「執着しすぎ。だってこの世界でも私、成人まで生きられないんだよ?」

流れる雲を眺めながら、俺はまた自分の気持ちを伝えていた。もしかしたら次伝えたら分かったって言ってくれる気がして。瞬き一つする間に気持ちが変わっているかもしれないと思って。でも、彼女の答えは否。しかも、記憶の事に気を取られて一番何とかしなきゃいけない病気を思い出させてくれた。
そうだ。例え両思いになったとしても、唯織はまた大人になれずに亡くなってしまうんだ。また、唯織を失わなきゃいけないんだ。あの悲しみをまた経験しなきゃいけないんだ。

「嫌だ・・・、ずっと一緒にいてよ・・・」
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