過ぎた時間は違っても
願いは届かないまま、翔琉先輩は席を立った。何でも、寄りたい所があるんだとか。まさか、翔琉先輩が犯人って事は無いよなと思いながら別の場所に移動するか家に帰るかと話し合った。でも、なかなか決まらなくて。

「もうやめよ、考えるの。何もかもおかしく見えてきた。じゃんけんで決めよ。私が勝ったら本屋ね」

「そうするかー。俺が勝ったらゲームセンターなー」

昔から翔琉先輩と意見に困った時に使っていた方法だそうだ。幼い二人が考え出した、一番公平な方法だったらしい。
勝ったのは俺。だからゲームセンターに行こうと席を立った。でも、店の様子がおかしい。店員が客とは関係無くざわつきながら動き回っていた。不思議には思ったけれど、関係のない話に首を突っ込むのもと思って店を出ようとした時だった。
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