過ぎた時間は違っても
状況を掴めていないのは神様だけじゃなかった事を思い出し、羽李に神様の事を紹介すると驚いたのか変な声を上げた。私も初めて会った時は半信半疑みたいな物だったしとそこに関しては何も触れなかった。

「短く言えば、私と羽李をまた会わせてくれた恩人って感じかな」

「本当にいたんだね・・・、神って・・・」

「お前の事は唯織のそばにいたからよく知っている。あまり焦らずゆっくりしていくと良い」

生まれ変わらせるつもりなのかなと思いながら、私はある事を思い出していた。あの世界で一つだけ思い出せなかった、恋の話だ。どこか知らない部屋に男の人と二人、暮らしていた記憶。
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