過ぎた時間は違っても
私が恨まないから羽季が恨めないって事では無いよね。だって私の母親が亡くなった訳じゃないんだし。恨み方が分からないのかもしれない。目の前に犯人として現れたら姿を消してほしいと腹が立つけれど、第三者には基本無関心な所があるからすれ違ったくらいじゃ気付かないと。明穂の父として視界に入ればあいつが犯人かと認識できるけれど、ただの通行人として歩いているくらいならそれ以上の関心を持てないのかもしれない。

「何が言いたい?」

「惚れた女が愛している友達を泣かせるなんてしたくないって話。部長だって妹の友達を泣かせるような事はしたくないでしょー?それと同じですよ」

惚れた相手が言ってくれたのであれば格好良いなと思ったんだろけど、羽季の口から聞いたせいでまた言ってるよくらいにしか思えなかった。
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