過ぎた時間は違っても
さすがに怒られるかと思ったけれど、父も特に否定はしなかった。親のした事に子供は関係無いという考えは父譲りなのかもしれない。泊まらせて良いかと訊こうとしたけれど、迎えに来ないのなら泊まっていけと笑ってくれた。まぁ、さすがに家族という事だけあって部屋に籠っていたけれど無理に帰らせないだけマシなんだと思う。

「あの・・・さ、父さんは母さんの事を愛していたのかな」

「愛しているから、今でも羽季の頭を撫でようとするんじゃないの?」

全く母に似ていない訳じゃないから?叔母が家に寄る度に似ていると言うから?
まさか、あの父が性別も違う俺に母を重ねて見ているというのか。あの堅物で唯織の母親にしか興味が無さそうなあの父が?
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