過ぎた時間は違っても
確かに俺の事も家族として愛してくれている。でも、母の話は唯織の母親からしか聞いた事がない。母の写真を眺めている所だって見た事がないし、性格と言っても母を殺した男の子供である二人を泊めさせた。本当に愛していたのか疑いもするだろう。
「父さんが俺の頭を?」
「知らなかったの?」
唯織曰く、俺と何かあった時によく出しかけては止めるらしい。嬉しい事があって笑っている時や目が合った時は特に葛藤があるそうだ。母ではないのに、もう頭を撫でて褒めるような歳ではないのに。ゆっくりと上がってしまう手を寂しそうに引っ込めるそうだ。
さすが唯織だな。伊達に黙っている訳じゃない。ちゃんと周りを見て小さな変化や仕草を見逃さないって訳だ。
「父さんが俺の頭を?」
「知らなかったの?」
唯織曰く、俺と何かあった時によく出しかけては止めるらしい。嬉しい事があって笑っている時や目が合った時は特に葛藤があるそうだ。母ではないのに、もう頭を撫でて褒めるような歳ではないのに。ゆっくりと上がってしまう手を寂しそうに引っ込めるそうだ。
さすが唯織だな。伊達に黙っている訳じゃない。ちゃんと周りを見て小さな変化や仕草を見逃さないって訳だ。