過ぎた時間は違っても
「唯織?大丈夫?帰ろうか?」
「あ、ごめん。大丈夫」
転入生の名前を思い出そうと脳内で過去に遡っていると、羽季が心配そうな顔で私を見ていた。私には昔から不安になると誰かの手を握る癖があった。最近は自分で自分の手を握る事でやり過ごしていたけれど、今でも羽季がいると無意識の内に羽季の手を握ってしまうみたいだ。
うわ、羽季の恋人が私を今にも殺しそうな勢いで睨んでる。それもそうか。第三者として見てしまえば自分の恋人に一番取られたくない異性が誘惑しているようにしか見えないんだ。
悪い事しちゃったな。私が手を握った所で恋人の事を本当に愛しているのなら揺れ動くような人ではないんだけど、例え相手を信じていても不安はまた別の問題だもんね。
「あ、ごめん。大丈夫」
転入生の名前を思い出そうと脳内で過去に遡っていると、羽季が心配そうな顔で私を見ていた。私には昔から不安になると誰かの手を握る癖があった。最近は自分で自分の手を握る事でやり過ごしていたけれど、今でも羽季がいると無意識の内に羽季の手を握ってしまうみたいだ。
うわ、羽季の恋人が私を今にも殺しそうな勢いで睨んでる。それもそうか。第三者として見てしまえば自分の恋人に一番取られたくない異性が誘惑しているようにしか見えないんだ。
悪い事しちゃったな。私が手を握った所で恋人の事を本当に愛しているのなら揺れ動くような人ではないんだけど、例え相手を信じていても不安はまた別の問題だもんね。