過ぎた時間は違っても
恋人がいるのに付きまとわれて迷惑しているんだって、信じてくれるなら声を大にして言いたい。でも、言っても信じてくれなかったんだよね。何をどう言っても嘘付きだって、相手をバカにしているようにしか聞こえないって。

「唯織!まだ妬まれてるの?ちょっと!言いたい事があるならはっきり言いなさいよ!」

「ありがとう、明穂(あきほ)。行こう」

高校で仲良くなった明穂が下駄箱で私を見付けると駆け寄ってきてくれた。明穂には本当に申し訳ないと思っている。関わる事を面倒臭がって反論しない私のために反論してくれている。羽季にも私が迷惑している事を伝えてくれるし、本当に良い子と友達になれたなって思う。
教室に入り、窓の外を見ると運動場を別校舎の生徒が走っていた。学年毎に時間を調整して生徒の技術を磨いているらしい。
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