過ぎた時間は違っても
羽季が通っている方は一日に二時限は必ず体育の授業がある。一人一人の生徒に合ったスポーツを学年別にさせた後、部活動の時間を使って合同練習をしているらしい。羽季は上手くなろうとはしているけれど、プロになりたいとは思っていないから結構楽しめているみたい。でも、見ていると気が抜ける羽季の性格に助けられている生徒も少なくないんだとか。
「なー!唯織の鞄に俺のタオル入ってないー?」
ガラス越しに目が合った羽季の口がそう動いているような気がして鞄の中を確かめている私がいた。関わらないでほしいと思うならこんなお節介だってしなければ良いのにどうして体が動いてしまうのだろう。
関わりたくないと思っているのに鞄に入っていた羽季のタオルと飲み物を取り出してガラス越しに見せ、あった事を伝えている私がいた。人の事を言えない。私も充分大馬鹿者だ。
「なー!唯織の鞄に俺のタオル入ってないー?」
ガラス越しに目が合った羽季の口がそう動いているような気がして鞄の中を確かめている私がいた。関わらないでほしいと思うならこんなお節介だってしなければ良いのにどうして体が動いてしまうのだろう。
関わりたくないと思っているのに鞄に入っていた羽季のタオルと飲み物を取り出してガラス越しに見せ、あった事を伝えている私がいた。人の事を言えない。私も充分大馬鹿者だ。