過ぎた時間は違っても
後半戦、俺たち三人の連携を崩そうとする奴が増えたけれど他の仲間との連携も並み以上で結局俺たちのチームが三桁も引き離して勝利した。でも、一番不思議なのは負けたチームも勝ったチームも皆笑っていた事だ。

「なー、降りてこいよー。久し振りにやろうぜー?」

上から観覧できる通路で俺たちの試合を見ていた唯織に声を掛けると周りの視線が一斉に注がれた。この高校で一番を争うほど実力があるらしい俺が誘う相手というのがそんなに気になるのかと思いながら両手を振っていた。帽子を深く被っていたせいか、部長たちも誰と話しているのか分からないというようなひそひそ話をしていた。
病気の事があるのか、部長の妹から離れた位置で見ていた唯織は首を横に振った。でも、今さら俺が遠慮するはずもない。
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