過ぎた時間は違っても
持っていって良いのか迷っていた。恋人がいるんだし、恋人に持っていってほしいと頼めば良いんじゃないのかって。でも、持っていってほしいと頼んだら私の方が羽季の事を知っているんだと自慢しているように思われるんじゃないのかな。産まれた時から一緒にいたし、私の方が量だけで言えば知っているんだろうけど相手が良い気分にはならないだろうし。だからと言って私が届けるのも違うような。

「ありがと!投げて良いよー」

窓の下まで走ってきた羽季に、タオルと飲み物を軽く投げた。羽季は取れないと思ったら避ける癖があるから当たって怪我する心配はないと勝手に信じていた。まぁ、今回も特に何かある訳でもなく普通に受け取って授業に戻っていったんだけどさ。
ただ、何で私が羽季の恋愛に関わらなきゃいけないの。何で羽季の恋愛のせいで肩身の狭い思いをしなきゃいけないのという不満はあった。
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