過ぎた時間は違っても
皆に聞こえるように設定して男たちの声を聞かせると唯織の父親と慶太郎おじさんは家を飛び出していった。俺もついていこうとしたけれど、父が首を横に振って後を追っていった。俺は理事長と唯織の母親と一緒に父たちが連れ帰ってきてくれると信じて待つしかなかった。
ちゃんと日は昇っていたはずなのに、父が帰ってきたのは夕方だった。唯織の父親や慶太郎おじさんの姿も唯織の姿もない。どういう事だ。もしかして、手遅れだったなんて言わないよな。
「唯織はどうしたんだよ」
「いたよ。今は警察病院にいる」
胸ぐらを掴んだ俺の質問に冷静に答える父に腹が立った。無事なのかどうかって訊いているのにその場所にいたとか今はどこにいるとかいらないんだよ。
ちゃんと日は昇っていたはずなのに、父が帰ってきたのは夕方だった。唯織の父親や慶太郎おじさんの姿も唯織の姿もない。どういう事だ。もしかして、手遅れだったなんて言わないよな。
「唯織はどうしたんだよ」
「いたよ。今は警察病院にいる」
胸ぐらを掴んだ俺の質問に冷静に答える父に腹が立った。無事なのかどうかって訊いているのにその場所にいたとか今はどこにいるとかいらないんだよ。