過ぎた時間は違っても
唯織だって生きたいんだ。死ぬのが怖いんだ。怖くて堪らないのに夜、皆が寝静まるのを待っていつも一人で泣いていたんだ。怖いって、まだ死にたくないって。何度も出てしまう本音を必死に圧し殺そうと頑張っていたんだ。聞こえてしまえば余計に悲しませるから。
「羽季、大好きだよ」
「嘘だろ・・・?唯織・・・?」
声は出ていなかった。でも、庵の動かした口がそう言っているような気がした。唯織はそのまま、涙を一滴だけ流して心臓を止めた。
病室には心臓が止まった事を知らせる音が鳴り響いている。大声を出して掻き消してしまいたくなるくらい、耳障りで不快な音だった。慶太郎おじさんや他の医師が心臓をもう一度動かそうとしていたけれど、努力は無駄に終わった。
「羽季、大好きだよ」
「嘘だろ・・・?唯織・・・?」
声は出ていなかった。でも、庵の動かした口がそう言っているような気がした。唯織はそのまま、涙を一滴だけ流して心臓を止めた。
病室には心臓が止まった事を知らせる音が鳴り響いている。大声を出して掻き消してしまいたくなるくらい、耳障りで不快な音だった。慶太郎おじさんや他の医師が心臓をもう一度動かそうとしていたけれど、努力は無駄に終わった。