過ぎた時間は違っても
確かに病気を与えなかったら私が死ぬのはもう少し先の話だったと思う。でも、私の生命力がなかったから完治できなかった訳だし。本当にその人が与えたんだとしても、自分のせいでもあるんだから恨むのは少し違うのかなって。その生命力が奇跡を生むんだとしたら私にも責任があるのかなって。

「・・・すまない事をしたとは思っている」

「いえ・・・」

この人は悪くない。そう思っても笑えなかった。いつもみたいに大丈夫だって笑顔を作る事が出来なかった。この人の本当に申し訳なさそうな表情が私が亡くなってしまったという事実を突き付けているみたいで、心が握り潰されそうなくらい苦しかったから。

「お前が死んだ後の世界を見たいか?」

「良いのなら是非」
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