過ぎた時間は違っても
初めてだった。言葉にならない言葉が喉でつかえながら大粒の涙を流したのは。無力感で押し潰されそうになったのは。私は本当に亡くなってしまったんだ。
どれほど泣いたのか分からないけれど、泣き疲れて目を覚ますと私の手を握り締めながら眠っているあの人がいた。いつから記憶がないのかも分からないけれど、途中から心が温かかったのはあの人が手を握ってくれていたからかもしれない。
あの人の握られていない手の平にさっきのきらきらした粒があった。私はまた羽季の姿が見たくてきらきらした粒を拾い上げて白い部屋の中に落とした。羽季はまだ泣いていた。明穂の兄に抱き締められながら私の名前をずっと呼んでいた。
「戻りたいか・・・?」
いつから起きていたのか、私の手を握ったまま男の人は生き返りたいかと問い掛けてきた。私は生き返りたい訳じゃない。亡くなってしまったのは病気を治せなかった私のせいだもの。
どれほど泣いたのか分からないけれど、泣き疲れて目を覚ますと私の手を握り締めながら眠っているあの人がいた。いつから記憶がないのかも分からないけれど、途中から心が温かかったのはあの人が手を握ってくれていたからかもしれない。
あの人の握られていない手の平にさっきのきらきらした粒があった。私はまた羽季の姿が見たくてきらきらした粒を拾い上げて白い部屋の中に落とした。羽季はまだ泣いていた。明穂の兄に抱き締められながら私の名前をずっと呼んでいた。
「戻りたいか・・・?」
いつから起きていたのか、私の手を握ったまま男の人は生き返りたいかと問い掛けてきた。私は生き返りたい訳じゃない。亡くなってしまったのは病気を治せなかった私のせいだもの。