わたし、気付けば溺愛されてました。
「それじゃあ、送迎は菅野(すがの)に任せて、メイドは三人に行ってもらうことにするわね」
「「かしこまりました」」
口髭おじいさんと、三人のメイドさんたちが口をそろえて返事をした。
「ま、待ってください。メイドさんは、一人で十分です…!三人もなんて…!!」
「ほんとに?遠慮しなくていいのよ?」
「ほんとです!!」
「わかったわ。じゃあ、だれに行ってもらおうかしら──」
「──俺に行かせてください」
マダムはメイドさんたちの方向に体向けている。
鋭い声がしたのは、その後ろからだった。
「………匠?」
「俺が、新木さんの家に行きます」
「佐伯くん……?」
ここにいるみんなが、佐伯くんに注目した。