わたし、気付けば溺愛されてました。
未定
「新木さん、本当に大丈夫?無茶しないでよ」
「全然大丈夫だよ、だって、骨折と打撲だけでしょう?」
「だけって……」
わたしが佐伯くんをかばい、事故に遭ったのは今日の朝の話だ。
現在の時刻は夜の9時。
まだ、“今日”だ。
「せめて一週間は入院しようよ。そのあいだは新木さんの身の回りのことは俺がして、司くんたちはメイドに任せるのはどうかな」
佐伯くんの提案は、正しいとは思う。
だけど、わたしは家が好きなのだ。
みんなであの家で過ごしたいのだ。
「今すぐ帰る。それに、学校ももう休みたくないよ。もう皆勤飛んじゃった」
「……う、ご、ごめん……」
「あ、ちがうちがう!佐伯くんがわるいんじゃなくて!佐伯くんも、今日ずっとここにいてくれて……ごめんね」