わたし、気付けば溺愛されてました。
「しずく姉!おかえり!」
ほどなくして、我が家へ到着した。
満面の笑みの司が玄関で出迎えてくれたと思ったら……
「まじで、うちに来るんすか」
車を下りてから玄関まで、今現在肩を貸してもらっている佐伯くんに、えらくガンを飛ばし始めた。
「つ、司?」
「うん、もちろん本気だよ。準備はこの通りだから」
そう言った佐伯くんのわたしとは反対側にある大きなスーツケース。
運転手の菅野さんが、先ほど「必要なものはすべて入っております」と渡していた。
「……は、まさか、うちに住み込む気じゃねーだろーな」
あ、あれれ??
なんか、司の口調がいつもより数段荒い気が…。