わたし、気付けば溺愛されてました。
「ん………」
海の底にいるようだった。
深い深い…………だれもいない暗い水の中。
もう、息ができないかと思った。
すぅー、すぅー。
あれ…………わたし…………息、してる。
さっきまで辺りは真っ暗だったのに、
あれ…………なんか、明るい…………。
「しずく姉!」
「しずくちゃん!」
「じずぐぢゃんん~!!」
みんなの、声──。
「みんな………どうしたの?」
みんなの姿に安心して、思わずそんな言葉が出た。
「どうしたの?じゃないよ!!よかった……」
「ふえ~ん!しずくちゃんが目ぇ覚ました~!」
「うえ~ん!うえ~ん!」
みんなが泣いてる。
弟妹を泣かせるなんて、お姉ちゃん失格だな。
「みんな、心配かけてごめんね……」