わたし、気付けば溺愛されてました。
「新木さん!目を覚ましたんだね!よかった、本当によかった!!」
まるで、司よりも桃よりも圭くんよりもだれよりも、わたしの生還を安堵している様子の彼に驚いて言葉が出ない。
不気味とか、そういうことではなくて。
とりあえず、頭がついていかない。
「さ、佐伯く……」
「もしもし、新木さんが目を覚ましました。今すぐ全員集合してください」
彼がいきなり携帯で誰かに電話をし始めた。と思ったら切った。
と思ったらガラガラガラ──!
バタバタバタ──!
ずらりっ
な……………………ナニゴト。
まじでついていけん。
新木家四人はポカン。
わたしが今いるベッドの向かいに人間が1、2、………10人並んでいることだけは分かる。