【短】FRIEND Ⅲ
「柏木…」
「ん?」
「良かったのか?」
「何が?」
「や…その…あいつ…」
そう言うと、彼女は今まで俺に見せたこともないような顔をしてから、
「ほんと、薄情になれたらいいのにねぇ」
と、へらり…そんな感じで笑った。
感情を押し殺しているのは、何時だって彼女が一番で…。
肩が触れ合うくらい近くにいたって、呼吸を感じられるくらい傍にいたって、彼女の気持ちはとらえどころがない。