【短】FRIEND Ⅲ

サラサラのを撫でられるのが好きだとか。
真正面から見つめられるのが好きだとか。
案外しっかりしてるように見えて、実はほんの少し抜けてて。
それを凄く気にしているとか…。


俺の前だけで語られる将来のビジョン。
そこには、俺の存在もあいつの存在も一切影をひそめてる。

本当は純粋なままでいられたらいいけど…無邪気なその笑顔に、この頃は戸惑うばかりで、嫌になる。


そして、何度も思い知らされる心の奥。


きみが好きだよ。

凄く好きだよ。




不意に見つめられたその顔に、酷く期待してしまうような狡い自分。


「あいつなんかやめとけよ…」


そう言い掛けて、瞳を伏せた。