恋とさくらんぼ
桜は保健室に運ばれたその後は、問題なく桃としての一日を終えた。
宮沢のことは気にかかるが、今さら気にしても仕方ない。
それよりも怪我をしたとは、なにがあったのだ。
「桃、平気なの?」
「全然大丈夫。もうほとんど痛くないし」
「なんで怪我したの?」
「体育の時間にちょっと。あのね桜ちゃんそれよりも」
自室に向かう間もまとわりついて、鼻息荒く桃が語る。
適当に相槌を打ちながら聞いていたが、だんだん桜の表情が強ばっていく。
最終的には驚きでこぼれ落ちそうなほどに目を見開いていた。
「……まじで?」
「まじで」
二の句を継げず、桜は黙り込む。
まじで?
宮沢のことは気にかかるが、今さら気にしても仕方ない。
それよりも怪我をしたとは、なにがあったのだ。
「桃、平気なの?」
「全然大丈夫。もうほとんど痛くないし」
「なんで怪我したの?」
「体育の時間にちょっと。あのね桜ちゃんそれよりも」
自室に向かう間もまとわりついて、鼻息荒く桃が語る。
適当に相槌を打ちながら聞いていたが、だんだん桜の表情が強ばっていく。
最終的には驚きでこぼれ落ちそうなほどに目を見開いていた。
「……まじで?」
「まじで」
二の句を継げず、桜は黙り込む。
まじで?