恋とさくらんぼ
「桜ちゃん、お風呂空いたよー」
「……了解ー」
桃が頭をタオルで包んで自室(二人部屋)の扉を開けると、桜が悄然とした様子で椅子に腰かけていた。
「さ、桜ちゃん、どうかした……?」
「いやなにも。それより、はい」
「?」
桜が桃に手渡したのは、桜のスマホだった。
「なんで?」
「牧野くんから連絡がきた」
「なっ……!」
そういえば牧野は、“桜”を試合に誘ったので、桜の端末に連絡がいくのが当たり前なのである。
「ど、ど、どうしろと……」
「どうにでも、桃がしたいようにしなさい」
どことなく姉は投げやりだった。こういうときはだいたい、どうにもならないことを考えているのだと、桃は知っている。
「……了解ー」
桃が頭をタオルで包んで自室(二人部屋)の扉を開けると、桜が悄然とした様子で椅子に腰かけていた。
「さ、桜ちゃん、どうかした……?」
「いやなにも。それより、はい」
「?」
桜が桃に手渡したのは、桜のスマホだった。
「なんで?」
「牧野くんから連絡がきた」
「なっ……!」
そういえば牧野は、“桜”を試合に誘ったので、桜の端末に連絡がいくのが当たり前なのである。
「ど、ど、どうしろと……」
「どうにでも、桃がしたいようにしなさい」
どことなく姉は投げやりだった。こういうときはだいたい、どうにもならないことを考えているのだと、桃は知っている。