恋とさくらんぼ
『試合は午前10時頃からの予定です。場所は──』

事務的な文章に続いて、短文が送られてきていた。

『がんばります』

顔が緩むのを抑えられなくて、桃は枕に顔を突っ伏した。

もうなんだっていい。こんなふうにメッセージをやり取りしていることが信じられない。試合の応援に行けるなんて夢みたいだ。牧野ならゴールを外したって転んだってかっこいいに決まっている。

足をバタバタさせながら高速で指を滑らせる。

『わかりました、ありがとうございます! 必ず行きます! 応援してます!』

次いで、旗を振っているうさぎのスタンプを送る。声援つき。

余談だがこのスタンプは、桃が桜にプレゼントしたものである。
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