恋とさくらんぼ
あ、美味いな、と頬張りながら宮沢が言うので、桜もどうにかパンケーキを口に運ぶ。

「……あ、美味しい」

「一口ちょうだい」

「勝手にどうぞ」

一口あげたりもらったりしながら、それなりにボリューミーだったパンケーキを平らげる。

食後のココア(桜はコーヒー。いい加減甘ったるい)を飲みながら、宮沢はご機嫌だった。

「そんなに来たかったんなら、なんで今まで来なかったの」

「だから男だけだとさすがに」

「女友達誘ったり」

「誤解とか勘違いされたら面倒だろ?」

「どういうこと?」
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