優しい彼と愛なき結婚

「中身も可愛いと良いんだが、生意気で手がつけられん」


少しだけ指に力を入れた大悟さんは再び歩き出す。


大悟さんは可愛いものは可愛いと認める嘘のない人だと分かっているが、心がざわつく。


「…今、高1ですよね。後5年もしたら20歳ですね」


「そうだな」


「5年経ったら、彼女は今よりももっと綺麗になって大人の女性になるのでしょうね」


「そうかもな」


5年後、私のライバルは美人になって大悟さんに再びアプローチしたらーー全然、叶う気がしないのですが。


「世の中の男性が振り向くような美女になっているかもしれません。あ、モデル業も軌道に乗って有名人になり、彼女にしたい芸能人No. 1になるかもですね」


自分で言ってて現実になることが怖い。けれど応援したい気持ちもある。



「アンタの言う5年後、羽奈は俺のことなんか興味もなくなり、他所の男と宜しくやってるさ」


大悟は羽奈ちゃんの気持ちを軽く受け取っているようだった。そりゃぁ17歳も離れていたら恋愛対象ではないのかもしれない。


「そうでしょうか…」


でも、


「5年後、もし羽奈ちゃんが大悟さんを好きなままで居たらーー」


2人はどうなるのだろう。


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