優しい彼と愛なき結婚

離れた唇をぼんやりと見つめる。


「アンタの身体ならなんでもいいよ。どんなところも愛せる。…それよりやっと触れられるから、暴走しそうで自分が怖い。できるだけ優しくするから」


「………はい」


消え入りそうな返事を聞いて大悟さんは目を細めて笑ってくれた。


「愛してるよ」


魔法の言葉。
大悟さんの愛しているを聞くだけで胸が締め付けられ、気持ちが昂る。


他の誰かでない、あなたの言葉だからだね。


「私も愛しています」


スッと自然と口から出た言葉に大悟さんは笑ってくれた。

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