優しい彼と愛なき結婚

食後のお茶を飲みながら、横でデザートのメロンを食べる大悟さんを見つめる。悪い人には見えない。むしろ良い人過ぎて、流されてしまいたくなる。


「この後、どっかでゆっくり話する?」

「もし大悟さんにお時間があれば、そうしたいです」

「うん。俺、暇人だから大歓迎だよ」


メロンを綺麗に食べ終え、ポケットから長財布を取り出した大悟さんは立ち上がった。


「あ、お会計…」

「俺にカッコ付けさせてよ」

「…ありがとうございます。ご馳走様でした」

「ん」


回転寿司はこの間の高級イタリアンの数倍も美味しくて満たされた。

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