一途な御曹司と16歳の花嫁
ひまりさんは、硬い表情で立ち上がって、私のほうはわざと見ないようにして、早足でカフェテリアの個室をでていってしまった。


「すまん、伊織」


二階堂さんが申し訳なさそうに伊織さまに謝る。


「いいよ、二階堂。ひまりを追いかけてこいよ」


「ああ」


ごめんなって言って、二階堂さんも個室をでていってしまいその場がピリッとした雰囲気に包まれた。


「あーあ、行っちゃったな。伊織、ちょっと今回は強引すぎたんじゃないか？相手はあの綾小路家だし、ごじれると厄介だぞ」


2人が、出て行った後、立川さんが気まずそうに口を開いた。


「綾小路家の当主は面目をつぶされて黙っているような人じゃないぜ。本当に大丈夫なのか？」


「わかってる。なんとかするつもりだよ」


伊織さまは私のほうを振り向いて「心配しなくていいから」と言ってくれた。
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