一途な御曹司と16歳の花嫁
すぐには、金額もわからないくらいに見たこともないようなケタ数に目を見張る。


だ、だめだこんな高級品を買ってもらうなんてあり得ない。


頭がクラクラしてめまいがしてきそうだ。


「つむぎ、まだか?早く見せて」


ノック するのが、伊織さまだと気付いて慌ててドアを押さえる。


「ダメ、開けないで伊織さま」


「早く着替えて出てこいよ。なんなら手伝ってやろうか?」


「ちょっ、何を言ってるんですか、伊織さまったら」


手伝うだなんて、そんな姿を一瞬想像してしまって恥ずかしくなる私。


「いいじゃないか、夫婦なんだから」


「恋人から始めようと言ったのは伊織さまですよ」


「ああそうか、そうだったな」


ちょっと拗ねたような彼の声に、思わず頬が緩んでしまう。

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