一途な御曹司と16歳の花嫁
しかも、その写真ときたら明らかに目線が合っていない盗撮写真。


こんなものいつのまに撮られていたんだろう。


「えっ、な、なんですか?これは」


「オーダーメイドのドレスを作ってもらうから、そのために石田さんにつむぎのデータを渡したんだよ」


こともなげに、横から答える伊織さま。


「言ってません、こんなの誰にも。測った覚えもないし」


ちょっと身震いして彼を睨むけど、素知らぬ顔だ。


「伊織さま、せ、説明してください」


「なんだよ、そう怒るなって」


今度はなだめるように優しい声で言って、肩に優しく手なんて置いてくる。


「心配するな、その情報は俺しか知らないトップシークレット扱いだ。それを書いたのも俺だしな」


あー、そうなんだよかった。って違うでしょ。

< 125 / 347 >

この作品をシェア

pagetop