一途な御曹司と16歳の花嫁
「つむぎが可愛いすぎるからいけないんだ。俺は悪くない」


彼に迫られたら何も考えられなくなりそう。自分を見失いそうで、怖い。


だけど、彼は迷わず優しいキスを落としてくる。


髪に1度


耳たぶに2度


頬に3度


ドキドキと胸の高鳴りが最高潮まで上がってくる。


体は動けないし声もだせないくらいに緊張した。


彼に強引に迫らたら、拒み切れる気が全然しないんだ。


どうしょうってオロオロしてるくせに、本気で抵抗できないのはなぜなんだろう。


そして綺麗な瞳に切なげにとらえられると、いつのまにかうっとりと見つめ返してしまう。


この時決して言葉を発してはいけないと思って我慢した。


口を開けば、自分がとんでもないことを言ってしまいそうだったから。


「つむぎ、そんな顔で俺を見るなよ」

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