一途な御曹司と16歳の花嫁
やはりあの日、ユリナ様との婚約を破棄したいばかりに私を利用しただけだったりして。


いろいろ考えすぎて、モヤモヤしていたら二階の私の部屋に母がドタドタと階段を勢いよく上がってきた。


え?どうしたんだろう。かなり慌てているみたい。


も、もしかしたら。来たのかな。


きっときっとそうだよ。


「つ、つむぎちゃんっ」


案の定、母は凄く慌てていて息も乱れている。


「どうしたの?お母さん」


尋ねながら、髪を整えたり制服のリボンを直したり身支度をする私。


もしかしたら、玄関で待ってるのかな?


お母さんもびっくりしただろうな、なんて。


ドキドキとはやる胸を必死に抑えながら、平気そうに母を見返した。


「お、お電話よ。つむぎちゃん。どうぞ」

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