一途な御曹司と16歳の花嫁
「おまえが、あいつに助けを呼ぶ度にあいつは大事なものをひとつづつ失うんだ。
こんな楽しいゲームは他にないぜ」


彼の言っている意味がさっぱりわからない私はシクシク泣いて精一杯逃げようとしていた。


だけど、男の力にかなうわけもなくなすがままにされていく。


這うように私の体を弄る彼の手はまるで蛇のようにしつこくて、気持ち悪さに吐きけがした。


その時ガタガタッと扉の向こうで激しい音がして、正臣の手がようやく止まる。


「来たな」


満足そうにニヤッと笑う正臣は、私の肩に手をやりブラウスを引き裂いた。


「ひゃっ」


ビリビリッと布地が敗れる嫌な音がする。


その瞬間、転がるように勢いよく飛び込んできた人影に目を見張る。


乱れた息遣いに肩を上下させる彼を見て息を呑む。


「イオくん・・」


伊織様は私達を見て一瞬目を見開いた。

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