一途な御曹司と16歳の花嫁



その日、私は一旦家に帰ると動きやすい服に着替えた。


そしてここ数日間で、練りにねった計画を実行に移すことにした。


真っ直ぐ家に帰ることと、帰ってからはどこにも行かないように、ましてやお屋敷には絶対に顔を出さないようにと父にきつく言われている。


そればかりか、私を見張るためにSPの人を交代で家によこしたり、通学は車で送り迎えしてどこにも逃がさないようにする念の入れようだった。


そうまでして、父は私を彼に会わせないようにするなんて。


普段は優しい父が、ここまでするのは新海家への忠義からと、私に対する信用の無さからなんだろうな。


だけど、母はというと少し様子が違っている。


そんな父には呆れていて、頼めば私の味方をしてくれるだろう。


だから、どうしてもとお願いしてこっそり家から出してもらうことにした。
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