一途な御曹司と16歳の花嫁
未来へ続く道
罪悪感から目を逸らして
ガタンガタン
特急列車の車窓からはのどかな景色が見渡せて、視界いっぱいに広がる緑は心をなごませてくれた。
そして、隣には愛しい彼がいる。
私達は固く手を握り合っていた。
絶対に離れまいと決心して新海家のお屋敷から飛び出したのは昨日の夕方のこと。
なんの準備もなく出てきた私達がまず向かったのはリサイクルショップ。
そこで、彼の身に付けていた腕時計を売り、お金にかえた。
定価には程遠い金額にしかならなかったらしいけど、贅沢は言えない。
近くの量販店で私の着替えも取り急ぎ揃えてもらった。
黒のスエット姿のままだとさすがに恥ずかしかったから、ラフなトレーナーとデニムに着替えた。
それから電車に乗って少しでも遠くへ移動しょうということになった。