一途な御曹司と16歳の花嫁

友達

家路につくことを2人で決心したら、心が随分と軽くなったような気がした。


このままだと、新海家の追手が日本中どこに隠れても探しにきて、連れ戻されてしまうに違いなかったから。


そうなる前に私達の意思で帰りたかった。


元来た道をバス停まで手を繋いで歩いていたら、こののどかな田園にあまりにも場違いなものが目に映った。


前方100メートル先にはこちらを目指す黒塗りの高級車。


しかも私達を見つけるや猛スピードで走り寄ってくる。


「ヤバイ、逃げよう」


「うん」


こんなのヤダよ、ちゃんと自分達で家に戻るつもりでいたのに捕まえられたくなんてない。


同じ様で違うの。


無理やり連れ戻されたくない。


焦った私達は反対方向に走り出したけど、車の速度に勝てるわけなどなく。

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