一途な御曹司と16歳の花嫁
エピローグ
ついに数ヶ月後、その日がやってきた。
まばゆいばかりの光が新海家のお庭に降り注ぐ晴れの日。
穏やかで過ごしやすいお天気で、髪を撫ぜる風も気持ちいい。
この日のためにたくさん努力して準備をすすめてきた。
「つむぎ綺麗よ。純白のウェディングドレス、よく似合っているわ」
「ありがとう、お母さん」
「素敵よ、つむぎちゃん。これからも伊織をよろしくね」
「はい、奥様。よろしくお願いします」
ふわふわのボリュームのあるスカートが特徴のプリンセスラインのウエディングドレスに身を包んだ私は、緊張と興奮の中にいた。
朝早くから念入りにお化粧してもらったり、髪を巻いてアップしてもらったり、綺麗にネイルまでしてもらった。
家族もみんな正装に着替えている。
父は今日の式を家令として取り仕切るため忙しく働いている。