一途な御曹司と16歳の花嫁
「つむぎ、ここだけの話だが伊織さまは海外留学したあたりから随分と女性関係にだらしなくなってきて周りも頭を痛めているそうなんだ」


「え、そ、そうなんだ」


「女遊びが派手な方だから、おまえみたいな純真な娘をたぶらかすのなんてお手の物なんだぞ」


「・・・」


知らなかった、伊織さまはそういう人なんだ。


まああれほどのイケメンなら過去に一人や二人いやたくさんの女性と浮名を流していてもおかしくはないのかも。


だけど、少しショックだった。


「いいかい、たまたま今日お屋敷にいた適当な相手に声をかけただけなんだ。伊織さまはなぜだか親の言うなりに結婚させられるのが嫌みたいだから。その場しのぎに利用されているだけなんだよ」


父の説明は聞けば聞くほどショックなことばかりだったけれど、そう考えてみたら納得がいく。
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