一途な御曹司と16歳の花嫁

「朝からつむぎちゃんの可愛らしい顔を見て食事ができるなんてほんとに幸せだわ。伊織なんてね、朝から仏頂面で、ほんと味気ない子なのよ。
ごめんなさいね、つむぎちゃんこの子って口が悪いでしょ」


そうなんですよ、口も悪くて怖いですよね、なんてまさか母親に愚痴るわけにもいかず。


「あ、いえそんなことはないです。お優しいです」


ってこんな心にもない返事をする私。


彼は私の方をチラッと見て、何も言わずに食事を続ける。


その時彼がパンにバターを塗ろうとしてたので、代わりに塗ってあげた。


「つむぎちゃんのお父さん、篠田さんはもうすぐ退院できるんでしょ？そしたらお式をあげないとね。楽しみね」


言いながら奥様は私達にサラダを取り分けてくれた。


「あ、はい。すみません。父がご迷惑をおかけしていて。あの、父の仕事は私がやりますので」