一途な御曹司と16歳の花嫁
正直、大抵は良家ののお坊ちゃんばかりで、みんな同じような感じでとりたてて特徴がないから覚えきれなかったのだ。


「ほう、そういうことか」


「あのう」


「随分とモテるようだな。俺の奥さんは」


フッと皮肉げに笑ったその顔は綺麗だけど目が笑っていない。


「伊織さま声が大きいです。それにモテるわけではないんです。私みたいな庶民だと口説きやすいと思われるだけで」


庶民の女子には財力を見せつけたら、簡単に落とせると思って舐められてるだけ。


だけど、私はそんなものに惑わされたりしない。

お金があるとか無いとかなんて関係なく、いつか本当に好きな人が、出来たら付き合いたいと思っていただけ。


「へぇ、それは大変だな。
対策を考えておかないとな」
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