一途な御曹司と16歳の花嫁
「今言わないでいつ言うのよ。
ユリナ、学校も行けなくて閉じこもってるらしいよ。あの子がどれだけ伊織との結婚を望んでたのかってこと、つむぎちゃんにもきちんと自覚してほしいのよ」


勢いよくまくしたてられ、私は身を硬くして彼女から視線をそらしてしまった。


どうしょう、なんて答えたらいいのか頭が真っ白。


ごめんなさいなんて言葉で彼女の怒りが収まるような気が全然しない。


だけど次の瞬間、小さく震える私を庇うように伊織さまが背中に隠してくれた。


「ひまり、責めるなら俺だけを責めろよ。
つむぎは関係ないんだ。俺がなにもかも1人で決めたんだから」


違う、違うよ伊織さま。


伊織さまが、私を庇ってくれたけど決して彼だけが悪いわけではない。


私があの時、結婚することを自分の意志で決めてしまったから。
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